2018年5月15日火曜日

ねじ曲げられた「イタリア料理」(本の感想)

ねじ曲げられた「イタリア料理」は、イタリア人であるファブリツィオ・グラッセッリ氏の著書。光文社新書で、税込864円。もともと著者は建築家だったが、仕事で訪れた日本が気に入りずっと住まれているそうで、日本の現状を踏まえた上で書かれている。日本人の認識しているイタリア料理が、そこまでクラシックで伝統的なイタリア料理とは異なっていることを教えてくれる良書だった。




特に印象に残っているのは、食のグローバリゼーションのところで、サンパウロに住んでいた身としては、食が広がる過程において現地化され、オリジナルの料理から独自に発展をするピザの話はとても興味深かった。また、著者がそれに対してポジティブな姿勢なのも、カリフォルニア・ロールなどが生まれて広まっている寿司や、世界各国でブームになっているラーメン等、同じことが起きている和食で考えさせられるものがあった。

ピザが実はイタリア生まれ、アメリカ育ちというエピソードや、乾燥パスタがもともとは贅沢品だった話、カプチーノはイタリアでは朝の飲み物等、イタリア料理に関するうんちく本としても、秀逸で面白い本だった。驚かされる話も多く、普段何気なく食べているイタリア料理に対するイメージがだいぶ変わること請け合いなので、イタリア料理好きの人は是非とも読んでみてほしい。


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