帳簿の世界史は、米国人で、歴史学と会計学を学んだジェイコブ・ソール氏の著作で、ローマ帝国の時代から続く国家の繁栄と会計の関係を解き明かした大作。訳者の日本語も大変わかりやすく、小難しい内容ではあるが頭にスッと入ってくる。会計士や企業で経理として働く人はもちろんの事、経営者の方にも興味を持って読んでもらえそうな本だと思う。内容は濃く情報量が多いので、読み終わるまで時間がかかったが、とても読後の充実感がある本だった。
国家の繁栄には、厳格な会計制度の構築と不正のない運用、そして報告と公開が欠かせないという論旨。ハンムラビ法典に経理処理について定めた項目がある、ローマの時代からあった不正会計といったセンセーショナルな話から、イタリア・オランダ・フランス・イギリスにおける会計と政治の関係説明、アメリカにおけるワシントンの公開帳簿と公認会計士誕生秘話等、過去から現在に至るまでの様々な分析が書かれている。880円のもとは十分に取れたので良かった。
0 件のコメント:
コメントを投稿