神保町にあるミニシアターの草分け的存在である岩波ホールでは、約2か月間に1本のペースで映画が公開されているが、日本でもここでしか見ることのできない映画を多く取り扱っている。今回初めての岩波ホールで観たのが、このニューヨーク公立図書館(エクス・リブルス)。2017年公開のアメリカ映画で、3時間30分の長編ドキュメンタリー映画。途中で10分の休憩があった。監督のフレデリック・ワイズマンの名前は初めて聞いたが、2016年にアカデミー賞名誉賞を受賞したドキュメンタリー映画の巨匠らしい。残念ながら7月5日で公開は終了している。
自分でも一番驚いたのは、これだけ長い映画にもかかわらず、一度も眠くならなかったこと。荘厳な建物で観光地としても有名なニューヨーク公立図書館で行われている様々な舞台裏の仕事を伝えている。図書館は知識の倉庫ではなく、自分の知らないことを求めてくる人にオープンで、本だけでなく音楽や写真、討論、セミナー、ダンス、また図書館にいる別の人とのコミュニケーション等多彩な方法で「知る」機会を提供する場になっていることがよくわかる映画だった。また、その運営にも多くのコストが割かれており、どのような場であるべきか?についての議論や、分館のある場所ごとに特色のある利用者向けに、多くの工夫がされていることを知れたことも面白かった。
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