2019年5月18日土曜日

呉春 特吟(日本酒125)

呉春 特吟は、大阪府の北部にある池田市で呉春酒造が手掛けている日本酒。灘が有名になる前までは、辛口のお酒としてこの地域で作られるお酒が評価が高かったらしく、池田酒というブランドで、一大消費地の江戸向けに大いに売れていたとのこと。作家の谷崎純一郎も愛飲していたそうで、作家つながりでいえば夏川草介作の小説、神様のカルテでも、主人公の親友が愛飲するお酒として呉春が登場している。


今の時代には珍しく一升瓶のみ4種類(普通酒、本醸造酒、大吟醸、限定大吟醸)の商品ラインナップで、いずれのお酒にも醸造用アルコールが入っているのが特徴。今回購入したのは通常購入できるクラスでは最上級の大吟醸クラスで、お値段は税込で約4,400円となかなかお高かった。東京では1度も見かけたことがないが、今回四谷にある有名な酒販店、鈴傳で1本だけ残っているの発見して購入した。


不思議なお酒である。醸造用アルコール特有のえぐみは全くなく、非常に穏やかでバランスのいいお酒。しかしながら水っぽさはなく、お米の旨味のほんのりと感じられる。冷や、常温、熱燗のいずれにも対応でき、様々な料理との相性も良さそう。派手さはないが堅実な日本酒で値段がネックになる以外、とてもいいお酒だと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿