2017年2月17日金曜日

BRASILIA(ブラジル国内旅行)

2017年2月初旬、思いつきでブラジルの首都、ブラジリアに日帰り一人旅してきた。1960年にたった5年で建造された人工的な首都は、世界遺産にも指定されている。世界一不便な首都(飛行機の国際線がリオやサンパウロより少ない)、半日で見所が終わる街、と人によっては散々な言われようだが、オスカー・ニーマイヤーがデザインした施設や教会が多く、建築関係やデザインが好きな人に是非オススメしたい街。




サンパウロのコンゴーニャス空港(CGH)から、ブラジリアのブラジリア国際空港(BSB)まで約1時間20分のフライト。今回もアビアンカ・ブラジル航空の早朝便を利用した。前回のサルバドール同様、機材はA320で、USBの充電口があるのが地味に嬉しい。ブラジルのナショナル・フラッグシップであるLATAM航空(旧TAM航空)は、国内線の機材が古めなので、最近はGOLやアビアンカを使うことが多い。





ブラジリア国際空港は1957年にブラジリア建設の資材搬入を目的に開港。正式には、ブラジリア建設を指揮した当時の大統領の名前を取り、Juscelino Kubitscheck(ジュセリーノ・クビチェッキ)国際空港というらしい。ワールドカップの際に改修されたらしく、とても新しく綺麗な空港で、Priority Passで入れるラウンジもあった。立地も良く、市内から車で30分もかからない。







まだ建造されて100年も経っていない首都は、飛行機の形をしており、胴体部分は政治的な施設、翼部分に大使館やオフィスビル、住居が建っている。観光的な見所は胴体部分に集中しているが、移動が車前提で、各施設間の距離が結構離れているので、観光する際にはタクシーやUBERが有用。まずは、胴体の中央にあり、街を見渡せるテレビ塔に行ってみた。飛行機コックピット側は国会を臨み、反対側にはサッカースタジアムが見える。





なお、郊外にデジタル放送のテレビ塔もあるため、タクシーを使う場合は注意。テレビ塔に限らず、ブラジリアの施設に入る際には、一切入場料は取られなかったが、車での移動コストを考えるとチャラかもしれない。



この後は、翼部分にあるSanctuaria Dom Bosco(ドン・ボスコ教会)に車で向かう。ブラジリア構想に影響を与えたキリスト教の聖職者の名前が冠せられた教会は、オスカー・ニーマイヤーの弟子だったナベスさんが設計を担当。外観は地味だが、中は青いステンドグラスが四方を囲み、とても幻想的な雰囲気。お昼前に行ったが人はまばらだった。







その後は、ブラジリア国際空港で出会ったアーティストの作品を求めて、同じ翼部分にあるショップへ。こちらは、Athos Bulcao(アトス・ブルサオン)というタイルデザイナーのグッズ(雑貨・家具等)を扱うお店。手軽に彼のデザインを楽しむなら、マグカップがオススメ。大きいサイズ(270ml)で約1,500円(R$39)、小さいサイズ(120ml)で約1,000円(R$31)と2種類の大きさがあり、デザインも20種類はある。本格的に楽しむなら、壁に飾るタイルが額装込みで約1万円から(R$275〜)購入できる。ブラジリアにしかショップがなく、空港にも売っていなかったので、お土産にいいかもしれない。







昼食を挟んで、いよいよメインの国会議事堂(Congresso)へ。ニュースなどでよくみるこの建物は、オスカー・ニーマイヤーのデザイン。向かって右側の上を向いたお皿が下院(Camara dos Deputados)を、伏せられたお椀が上院(Senado Federal)を表しており、それぞれ下に議場がある。真ん中のタワーは事務局と議員宿舎。入場する際、送料無料の絵葉書が貰え、国会内の郵便ポスト(見た目はただの木箱)に入れると、ブラジル国内に送ってくれるらしい。







無料のガイド付きのツアーが30分置きに開催されており、議場を含めて中を小一時間くらいで見学することができる。上院は青色、下院は緑色がテーマカラーで、議場もそれぞれの色をメインにまとめられていた。また、広間にはオスカー・ニーマイヤーや彼の師匠とも言われるコルビジェの椅子が置かれていた。







すぐ近くには、国外からの賓客を迎える外務省の建物、イタマラチ宮殿(Palacio Itamaraty)があり、見学ツアーに無料で参加出来る。こちらもオスカー・ニーマイヤーの設計。柱のない世界最大のホールや、Athos Bulcaoのデザインした格子パネル等が見学できる。ホールより上は保安上の理由により撮影禁止だが、テラスから外の景色は撮影OKで、国会議事堂の良い撮影スポット。晩餐会なども開かれる部屋も見学でき、そこに置かれている調度品も見事で一見の価値あり。







国会議事堂から徒歩15分くらいで、メトロポリタン大聖堂(Catedral Metropolitana)のある地区に着く。オスカー・ニーマイヤーの設計。内部のステンドグラスと空間の大きな広がりが独特なデザインになっている。天使の像が上から吊るされているのはちょっとシュールな感じ。





道を一本挟んだ向かい側には、同じくオスカー・ニーマイヤーが設計した国立美術館(Museu Nacional)があり、主に現代美術が楽しめる。なんとなく宇宙をイメージさせるデザイン。中もぐるぐるしている。





正直半日では、主要なところを回るだけで精一杯。多分夜景も綺麗だと思われるので、もし行く人は1泊する方がいいかもしれない。また、施設内のツアーは無料だが、基本的にポルトガル語のみだったので、言葉がわからない人には少し厳しいと思う。何回も行くところではないだろうけど、ブラジルに住んでいるなら一回は行っておきたい街。

0 件のコメント:

コメントを投稿