2017年9月末に、知人から一押しされた倉敷に一人でふらっと行ってきた。何かしら好みのものに行き当たる(美術館好きには大原美術館や、歴史好きには時代劇に出てくるような白壁の街並みが残る美観地区、買い物好きなら児島のデニム、グルメにはフルーツ等)という意味では、あまり人を選ばない場所で、混雑も少なく特に関西や九州からの週末旅にはいい場所。
倉敷は見どころが一か所に集まっており、基本的にはすべて歩いて回れる。白壁の街並みが残る美観地区には、駅から徒歩10分ほどで到着する。水路と昔の家々が立ち並ぶ景観は、京都や金沢とも趣が異なっている。一つの地区に絞って景観保護をしているが、端から端まで30分かからないくらいで、ちょうど一つの町くらいの大きさなのが程よい。街の人たちも、そこそこ観光客に慣れているがすれてはおらず、とても感じがいい。外国人もちらほらいたが、そこまで混んでおらず、ちょうど良い印象。
とりあえずは、目玉の大原美術館。1930年に日本で初めて開館した西洋・近代美術館で、倉敷の実業家・大原孫三郎(クラボウ創業家出身で、クラレや中国電力の前身となる会社を設立)がパトロンとなり、画家の児島虎次朗が欧州留学の傍ら買い求めた絵画がコレクションの主流。日本でもここにしかない絵画が多く、入場料1,300円の価値は大いにあると思う。本館以外にも、分館や工芸館等があり、全部回りきるのには少なくとも2時間は見ておいたほうがいい。併設されたミュージアムショップも、センスのいい商品を取り扱っている。
その後は、美観地区内の水路をぶらつく。倉敷南部の児島で造られる、世界的にも有名らしいデニムを扱うお店や、備前焼のお店、倉敷銘菓でもあるむらすずめを1個から買える和菓子屋さん、地酒を試飲させてくれるお店等、食べ歩きやショッピングを楽しめる。中には、日本で2番目に開業した民芸館もあり、そちらのエントランスがとても美しかったので、一見の価値あり。ちなみに民芸館は、入場料が700円だが、民芸好きな人狙い撃ちの展示なので、興味がない人は入口のミュージアムショップを覗くくらいでちょうどいいかもしれない。
宿泊は、棟方志功の巨大な版画が飾られていることで有名な倉敷国際ホテル。小奇麗なホテルで、価格はふつうのビジネスホテルよりは高いが、大原美術館に隣接しており立地は最高。美観地区の散歩を楽しみたい方にはうってつけだと思う。夜は、美観地区にある地元の人が多い焼き鳥屋さんで、地酒と一緒に焼き鳥を楽しむ。中々芸術的な休日となった。
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