2018年9月18日火曜日

ハプスブルク帝国(本の感想)

ハプスブルク帝国は、近世ハプスブルク史が専門の研究者である岩﨑周一による本で、ハプスブルク家の勃興から終焉までを一貫して書いた通史。この本を読んで一番印象に残ったのが、結婚によって円満に権力基盤を維持拡大していたと思っていたハプスブルク家が、実は多様な人種や文化にかなりの配慮をして、また貴族や議会などと協働して統治を行っていたという事実である。幾つかハプスブルク家に関する本を読んだが、この本が一番客観性を持って描かれている印象で、本当にこの一冊でおおよその流れがわかる良書だった。




ハプスブルク家出身の有名人としては、フランス革命で処刑されたマリー・アントワネットや、オーストリア中興の祖である女帝マリア・テレジアなど、女性が多い印象だったが、この本を読んで脈々と男性の皇帝についても知ることができた。一時期ハプスブルク家がスペインも支配していたのは、地味に知らない事実だった。


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